トレーニングの特異性と転倒予防
おはようございます。
最近は、小さい頃から専門的にスポーツに励む子供が増えてきたと聞きます。それによって専門的な体力の向上はできているそうですが、他の体力種目は平均以下の子供もいるそうです。そんな話を聞き、ご高齢の方の転倒予防や怪我の予防などに繋がった部分がありました。それをトレーニングの特異性で考えてきます。
トレーニングの特異性
トレーニングには原理原則というものがあります。その中の「特異性の原理」というものがあります。
※トレーニング効果はトレーニングしたようにしか高まらない
というものです。
その専門種目ばかりを早いうちから練習をしすぎていると、その専門種目で使わない要素は、育たないということになります。専門種目だけやっていた方が、早く上手になるから良いじゃないかと思われますが、スポーツで言うとスキルの部分は高まりますが、基礎体力要素が満遍なく育たなくなってしまいます。そうなると、突発的な怪我が多くなったり、そのスポーツ以外のことは器用にこなし難い状況になります。
どうしてこれが、ご高齢の方にも当てはまることに至ったのかというと、ご高齢で運動習慣のない方ですと、家の中で座る時間が長くなってしまい、動かいことが多く、歩く事もしなくなってしまいます。動かさなければその運動は低下していきます。生活様式にもよりますが、同じような生活の繰り返しですと、その動作範囲しか動かなくなってしまいます。同じことのくり返しとなるので、人混みの多いところに行った場合、いつもと違う状況が目まぐるしく起きます。その状況に対応できなくなってしまうと言うことになります。その中で、重心を動かすことをしていないと、ふと重心が動いた時に身体が動句ことが出来ず、転倒してしまうことに繋がって行きます。
特異性から転倒予防を考える
転倒予防に脚の筋力をつけましょう!なんて聞いたことがあると思います。本当に筋力をつけるだけで転倒が防げるのでしょうか?脚のトレーニングよって筋力が上がり、柔軟性が上がれば防げる事もありますが、問題は、重心を崩すことに慣れていないという事も問題なように感じます。今も人気の体幹トレーニングですと、身体を固めると言うことを主に行うように感じます。確かに固めることや、胴体部分に刺激が入ることでも、安定感はますかもしれませんが、崩れてはいけないのではなく、崩れても立て直せる事も重要に感じます。
街中を歩いていても人にぶつかって倒れないような脚の筋肉も必要ですと言う方もいるかもしれませんが、人に当たらないように、身体を移動できる能力を高めるトレーニングをする、と言う発想も大事なように感じます。
筋力トレーニング をすれば筋力やそのトレーニングに関わる動きや能力が鍛えられます。ですが、転倒してしまう時は筋力だけの問題ではなく、重心が崩れていることがわからないと言う事もあります。なので、筋力トレーニングも必要な場合もありますが、重心を移動したり、崩したりするトレーニングも必要なように感じます。
トレーニングと聞くと筋力トレーニングで筋肉をつけましょう!と言うイメージが強いですが、体力要素を向上させるトレーニングと考えると、色々なことが思いつきます。
目的に合ったトレーニングを行いたいものです。
榊原裕希